作業報告をペーパーレス化

導入システムの概要

エアコンのメンテナンスや設置における作業報告書を電子化することを目的としたシステムです。本システムを活用し、メンテナンス業務を行う社員や協力会社の人たちが日々の報告を行い、その報告内容を一元管理できます。また、現場の電波状況が不安定であることが多いため、オフライン機能により電波が入らない場所でも安定的に利用することができます。
報告書のデジタル化と一元管理により業務の効率性や生産性を向上させることで、新たな業務プロセスを構築した社内DXのシステムです。

導入の背景と課題

エアコンのメンテナンスや工事実施後には、現場で3枚綴りのフォーマットに手書き作成し、お客様に控えを渡していました。しかしながら、ペーパーレス化が進んでいることや、情報の修正やスピーディーな共有が求められていたことがシステム導入を後押ししました。

手書きの報告書は見づらいことが多くミスにつながったり、機械の型番であれば交換部品の間違い、データ数値であれば良否判定の間違いにも繋がっていました。また、サービスマンが手書きの報告書を事務所に持ち帰り、事務方が入力するというプロセスになっていましたが、サービスマンがその日に帰ってこないこともあり、処理遅延につながることもありました。時にはFAXで送ってくることもあり、文字が見えない、遅いなどの問題点もありました。
そのような課題を早々に解決する必要がありました。

導入の決め手は、現場の運用に即していた

システム開発会社選定にあたっては、お付き合いしているシステム会社、独自で調査したシステム会社、マッチングサービスの利用など、合わせて10社ほど選出し比較検討しました。そして、当社はITリテラシーが低いということもあり、基本的な内容や費用感をわかりやすく資料にまとめてくれているという観点で3社に絞り込みました。最終的には、各社とQAを重ね、当社のふんわりとした要件をしっかりとカタチにしていただいた国際テクノロジーセンターさんに決めさせていただきました。

当時システム会社の多くは、Webブラウザベースのご提案が多かったのですが、現場の意見としては、わざわざブラウザを立上げて使うのは面倒ということで、ネイティブアプリを念頭に選定をすすめていました。操作性、ビジュアル面も、当社の希望するUI/UXに叶っていることも大事な選定要素でした。結果として、Webブラウザ仕様ではない、途中結果の保存や、オフラインでの利用ができるなど、実際の現場運用に即したシステムになりました。

システム導入により業務効率アップ

幅広い提案とスピード感のあるサポート

国際テクノロジーセンターさんには、当社の難易度の高い要望に献身的にお応えいただき、幅広いご提案をいただきました。例えば、図面作成、写真の貼り付けを簡単に行うことができるようになったり、社内での情報共有が非常にスムーズにできるようになり、業務効率化に繋がったことを高く評価しています。

保守面では、何かあっても常に迅速に対応していただけていることは、大きな安心に繋がっています。当社もメンテナンス事業を行っているということもありスピードを要求される業界ですが、その点から見てもスピード感は申し分ありません。それに、国際テクノロジーセンターさんのレスポンスは早いだけでなく、問題解決までの時間が非常に短くダウンタイムの短縮化が図れていますし、どうしても原因が特定できないものについても、根気よく付き合ってくれ解決方法を見出してくれます。また、システムアップデートの際は、24時間365日業務は動いていますので原則システムを止めることはできないのですが、わずかな空き時間を探し出して、アップデート作業を実施いただいております。

システムの活用効果を実感

2018年3月からスタートしてからこれまでの間、大きなトラブルもなく快適に使えています。メンテナンス作業はほぼゼロで、非常に安定したシステムであると言えるでしょう。現在利用者数は社内外を含めると2,000人弱ほどが、日々の業務で利用しています。ITリテラシーが高くないパートナーさんにおいても、使い始めた当初は文字入力が面倒だと仰っていましたが、今では難なく使いこなしています。システム立ち上げ当時はスマホを持っていなかった人も、今では皆さんスマホをお持ちになり、本システムを利用するようになっています。

🞂 検索機能が高評価
機器についてわからなかった時、以前はわかると思われる人に電話で問い合わせしていましたが、アプリの検索機能を利用することにより、全社的に情報を持っている人を探すことができるようになりました。このようにベテランの意見を簡単に聞けるようになったことは、素晴らしいユーザ体験だと社内では高く評価されています。

🞂 業界的にフロンの取り扱いが厳しくなった
フロンの取り扱い上、どの現場で何キロ回収したのか管理する必要があるのですが、システムの管理画面からすぐに抽出できるようになりました。以前は報告書から人の手により集計していましたが、システム化したことで迅速に集計し報告ができるようになり、業務改善や勤務時間の短縮化に繋がっています。

🞂 コロナ禍で実力発揮
2018年導入の1年後に、コロナ禍に突入しました。緊急事態宣言により、密を避ける、コロナ罹患などにより、社員が出社できない事態になりました。
紙ベースの運用なら出社が必須でしたが、デジタル化によりどこにいても作成や集計が可能になりました。当時このシステムが無かったら業務に大きな支障を来していたかもしれません。

充実した機能・さらなる期待

システム機能の利便性

営業マンがエアコンの交換時期をシステム上ですぐ確認することができるようになり、リアルタイムで提案ができるようになりました。システム導入前は、現場でエアコンを見て何となく古そうだという感覚で提案することも多くありましたが、お客様ごとの作業履歴から適切な交換時期の提案ができるようになったことは非常に大きい成果です。

🞂 報告プロセスは迷わない
システム上で報告書の差し戻し、訂正など迷わず実施することができるようになりましたので、トータル的に報告書のクオリティが上がりました。

🞂 検索が簡単に
エンジニア側としては、日付、機械、現場ごと、お客様先など、システム上で検索することができるようになったため、膨大な紙やファイルから探す手間がなくなり、検索時間の削減、オフィスに戻ってきてからの事務仕事も激減し、働き方改革に大きく寄与しています。また、管理側としても、データを抽出しやすくなりました。

🞂 写真の抜けがなくなった
システム導入前は、デジカメで撮影した何十枚、何百枚の画像を現場から持ち帰り、事務所でExcelに貼り付ける作業をしていたため、どうしても写真の抜けが発生していました。それが、システム導入により、現場で写真を撮影し、その場で貼り付ける作業ができるようになったので、写真の撮り忘れや貼り忘れがなくなりました。

🞂 いつでもどこでも
スマートフォンやタブレットさえあれば、いつでもどこでも仕事ができる、報告を上げるまでの伝達スピードが速くなるなどの大きな変化がありました。導入前はオフィスに帰ってこなければ報告があげられませんでしたが、現場からオンラインで直接報告があげられるようになりました。

🞂 有用なシステムに
コロナ禍で在宅勤務になっても問題なく効率よく仕事ができたことは非常に助かりました。そして、システム導入当初は、パートナーさんに嫌がられるかもしれないと心配していましたが、高齢者の方々も含め意外とすんなり導入を受け入れてもらえたことは想定外でした。

🞂 操作性、UI/UXはイチオシ
何と言っても、本システムのイチオシは操作性だと思います。システム導入当初は、利用者から色々質問がくると思っていましたが、それほど多くの質問はありませんでした。直感的に操作できる仕様になっていたからだと思います。システムの要件定義では、システム導入前に使用していた報告書と同じレイアウトでシステム設計を依頼していましたが、驚くことに国際テクノロジーセンターさんから断固反対されてしまいました。当時は同じ報告書のフォーマットの方が使いやすいと思い、提案していただいたUIデザインのレイアウトの良さがまったく理解できませんでした。しかしながら、結果として国際テクノロジーセンターさんから提案していただいたUIデザインのレイアウトは、よくユーザー目線で考えられており、ユーザーが迷わず操作でき使用感が非常に良いと実感させられました。

🞂 オフラインでの作業
電波の繋がらないところ、例えば地下などで作業をしながら報告書を作れることが非常に助かっています。Webシステムにしていたら、場所を選ばないスムーズな作業はできなかっただろうと思います。

さらなるDX化推進へ

このシステムは、とにかく優れたUI/UXで画面が見やすい。現場において面倒な報告業務が楽になり、残業時間も圧倒的に減りました。そして、使いやすい検索機能・作図機能、オフライン機能により、いつでもどこでも業務を行うことが可能になりました。
システム導入により社内業務プロセスの改革、社内DX化推進に繋がりましたが、時代は常に変化していますので、国際テクノロジーセンターさんには、今後も技術革新に追随した新しい提案と、業務改善の提案を期待しています。